友達

 お墓に行った。
十三回忌の法事は先月終えたけれど、今日は13年目の祥月命日。
お墓は緑の木々に囲まれているお寺の山にある。たまにお参りされる方とお会いするけれどそれも一年に一度あるかないかで、鳥の鳴き声と近くの小学校のチャイムが時々聞こえるくらいの本当に静かな墓地。
急な坂道をお花やお水や竹箒庭帚などを持って上ると、お墓の周りは笹の葉や木の葉がいっぱい落ちていた。お掃除をしてお花やお線香を立てながら、13年か~と。もう13年なんだね、早いねーと周りの人は言ってくれる。けれど、私の心はまだ13年なのかと。
色々色々あった。あれから随分経ったような、見送ったのは遠い昔のような気がする…そんなことを考えて坂道の葉っぱを掃きながら下りて行った。
携帯に着信があった。何時も沢山のお野菜や花の苗を届けてくれる友達からだった。電話すると、今日は13年の命日じゃあなかった?ちょっとお邪魔していい?と。
お花を抱えて来てくれた友達は、お線香を上げながら、日記を見ては今日の日を気にしていた事を話してくれた。
有難う…本当に有難う。
法事は先月お寺で行った事を伝えながら、覚えていてくれた友達の心が有難かった。